vol.163 雨の日の軒刈り

 棟までもう少し……というところで悪天候。時間がもったいないので、本来は仕上げの最終工程にあたる軒刈りを、先行して行うことにした。

 軒刈りは、物理的には雨でも可能。だが、当然ながら冬の雨に打たれながら作業するほど無謀ではない。前日のうちにシートを天幕状に伸ばせるよう用意し、簡易的な素屋根とした。

 晴れの日に休むと何となく罪悪感に苛まれてしまうのが屋根職人の性なのだが、逆に雨の日にうまく工夫して作業を進めることが出来ると、何となく得した気分になる。実際には工期が伸びたわけでも何でもないので、あくまで"気分になる"だけなのだが。

 

 雨の中で作業している姿は時に、そこまでしなくてもいいのに・・・という目で見てもらえる。しかし、今は年度末。おそらく日本全国の工期に追われる屋根現場で、似たような光景が見られていることと思う・・・。