"頭で考えるよりも手を動かせ"とは親方からよく言われたものだが、試行錯誤のお社茅葺きコーティングも、淡々と進めるうちに自然とアイディアも浮かんでくるもので、勢いで進めるうちに何とか棟まで収まった。本体の形を眺めている段階では全く良い案が浮かんでこなかったのに、不思議なものだ。
品軒(しなのき:棟の段)には、美山の屋根では大抵稲藁を使用するが、ここでは杉葉を用いた。あえて、お社が納められる神社予定地の周辺で採取した杉葉。土地の材料を混ぜ込むことで、鎮守の意味になれば…とちょっとした自分なりの願掛けだ。今は真緑の段となっているが、時間の経過とともに茶色く固まっていくはず。
ビスの跡が目立って不格好だった側面には、お社を収める本殿とお揃いの杉皮葺き模様のコーティングを施した。
厚さおよそ4cm前後の茅葺きと、12mm前後の杉皮葺きによるコーティング。小さいクセに、何だかんだ手水舎と同じくらいの作業日数が掛ってしまった…が、込めた想いとともにしっかり形になって良かった。
やがてこちらに降りてこられるであろう神様の、お気に召して頂けたら嬉しい。
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