雪に埋もれた現場の除雪作業が続く。普段なら、自前の足場丸太を持ち込んで足場を設営するが、積雪に阻まれ、現場どころか現場に続く山道にさえ車両は入れない。幸い、たくさんの工種が入り乱れる今回の現場には、単管の足場材がたくさんある。ふもとから持てるだけの道具を背負ってせっせと徒歩で現場まで歩き、建物周りの除雪さえ出来れば、現場の足場材でとりあえず足場だけは設営出来る。
少しでも前へ。その一心で終日の雪かきをなんやかや1週間近く続ける。背丈にせまるほどに溜まった雪を、湧き上がる焦りや余計な感情を捨てて極力無心に取り除いていく。降りたてホヤホヤの雪は、軽いけれどまとまらないから投げにくい。圧雪された雪は、きれいにキューブ状にカットして投げ捨てられるけれど、なにせ重い。下の方にいくにつれ重たくてまとまらないザラメ状の雪になり、場所によってはほぼ氷になっている。少しも嬉しくないが、除雪スキルだけがグングン上がっていく。
悪いことに、茅葺きの足場は広さがいる。材料の茅自体が2m以上もあるから、歩くスペース+茅置き場を考えると、建物から最低4~5mは除雪せねばならない。すなわち、建物近くの雪は、5mくらい先まで投げなければならない。
…ふと、オレは何やっとるん?という思いにさらされる。自己満足なんぞと言えればまだいいが、こうしている間にも会社のお金は羽が生えたように飛んでいく一方である。そんな折、大雪警報の再来。雪かき半ばで、せめて除雪済みの方位だけ大急ぎで足場を設営したのは英断だった。
週末の大雪で再び雪に埋もれた現場を前に、なんでこういう働き方しか出来ひんかな…と苦笑い。多少の苦労に耐える忍耐力はあるつもりなんけどな…なんせお金と比例せんな…。もっと経済的に合理的な仕事、働き方はなんぼでもあるだろうに、どうも苦手というか、頑固というか。
お金さえあったら、家族に対しても自分に対しても、もっと心の余裕があるのにな…。いや、今の自分があればこそ、今の家族の形があるのかも知れないしな…。
あぁダメ、いろいろ考えだしたら鬱になるがな。だから極力無心で。しんどい目に会うのはこれまでの人生でいくらでもあったわな。あの時に比べたら…。何はともあれ、山陰で日の差さない現場で、少しでも早い雪解けを待つ。
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下野純一 (土曜日, 21 2月 2026 11:36)
今日はお邪魔しました。投稿を拝見して、大雪の中での仕事再開の大変な状況、お察ししました。今後ともよろしくお願いします。