vol.177 稲刈り

 毎年稲わらを譲って頂いているお家へ、稲刈り・稲木干し作業のお手伝いへ。以前は家族総出でやっていたものが、子どもが巣立ち、週末に夫婦だけで終わらせるのは厳しくなってきているとか。稲わらを頂くための労働交換なのに、助かる、ありがたいと言ってもらえるのが、何だかこそばゆい。

 一日中晴れているという日が少ないこの頃。週末しか作業出来ないにも関わらず、天気にも左右されてしまうのは稲刈り作業の悩ましいところ。ご主人は現在出張仕事中らしいので、帰宅タイミングと空模様、そして稲刈りの適期を揃って見極めねばならず、気を揉んでらしたらしい。

 

 作業段取りや機械の操作が分からず、初めのうちは手伝いに来たのか足を引っ張りに来たのか分からない状態がしばし。社会人になってからずっと田舎暮らしで、田んぼは常に身近にあったが、正直あまり分かっていない。我が家の田んぼも、大きな部分は地域の農事組合にお世話になり、細かな部分は義父に任せっ切りの状態だ。山村留学指導員時代の7年間ほどはずっと田んぼに関わったが、こちらは手植え、手刈り、足踏み脱穀機…少々極端だったので、あまり活かせていない。

 オロオロしながらもどうにか作業についていき、パラリと落ちてきた雨粒にヒヤリとしつつも、どうにか本降り前に全ての作業を終えることが出来た。

 

 「あぁ、これで安心して仕事に行ける。」 ご主人の言葉に重みがある。まったくだ。あと1枚刈り残した…なんていう状態で出張先に戻れないだろう。

 少しでも力になれたのなら嬉しい。そして、茅葺き作業で稲わらを使うたび、いろんな苦労とありがたさをより感じられるだろう。