vol.146 脱力

 2月から続いた怒涛の屋根仕事が、ようやく一区切りついた。ことに前半戦の気の張り詰めようは、我ながらすごかった。もう一度同じことをせよと言われても出来ないだろうし、したくもない。

 1人で茅葺き仕事を切り盛りすることの気楽さの反面、諸条件による限界も痛感した半年間だった。それだけに、助けてくれる人たちがいてくれることのありがたみをヒシヒシと感じた。おかげで完成が見えてきた終盤は、張り詰めていたリバウンドと言うべきか、良くも悪くも日に日に脱力していくのを実感していた。

 1人で屋根葺きをしていることは、自慢でも誇りでも何でもない。平時はそれが自分の生活スタイルに合っているというだけのこと。

 困った時に助けてくれる仲間がいる、このことこそを大事に、誇りとすべきだろう。

 

 全て片付いた日の夜。助けて頂いた皆さんと一緒に、ぶんなとして初めて、工事完成後の打ち上げ。半年間のいろんな場面を思い出し噛み締めつつ、無事終わって良かったとホッとしながら飲み食いおしゃべりしていられる最高の時間。自分へのご褒美、と称してイソイソとコンビニに寄るのもいいが、たまにはこんな時間も楽しい。

 

 さあ、いつまでも脱力し過ぎているのもよろしくない。ここからは今年の後半戦の始まり。ガタガタになった体をケアしつつ、ひとつひとつの仕事を着実にこなしていこう。