長期間の工事の大きな局面、棟上げ。力仕事以外の何物でもないが、これさえ無事に終わってしまえば…と気分は軽い。
X型に交差して載せるのがウマノリ(千木-ちぎ-)。耐水性の高いクリの木を利用するため、とてつもなく重い。これを踏ん張って屋根のてっぺんまで人力で運ぶ。機械で揚げることも可能だが、荷揚げ機自体がまた重く、足場の上に設置するのが大変なので、大抵の場合は人力でやってしまう。そして1対ずつを組み合わせ、位置を調整する。
ウマノリが固定出来たら、いよいよ最後のユキワリ。山から苦労して降ろして加工した例のヒノキだ。端っこのウマノリからどれくらい飛び出させるか、尖った先はちゃんと12時方向を向いているか、水平に見えるようにするにはどんな工夫が必要か。あれこれ調整しつつ、ここという位置で固定していく。
あんなに苦労した相手なのに、屋根に載せると思ったより細く見えてしまうんよな…。そんな不満もあれども、大きな不具合もなく無事に棟に収まってくれた。刈り込み前の屋根はやや不細工だが、やはり棟が収まると一気に印象が変わる。通りすがった人から、「あの(ユキワリの)反り上がった形が何とも言えんね~、かっこいいわ。」なんて言われると、でしょ、分かります?とほくそ笑む気持ちになる。
梅雨で身動きが取れなくなる前に、真夏の猛暑を前に、棟を完成させることが出来たのは良かった。残り2面。いよいよ終盤戦。
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