vol.142 棟の作業

 3ヶ月近く日記を更新出来なかったのは新記録…とにかく忙しい日々。まだまだ抜け出せない、間に合わない。気が追われるばかりだけれど、何だかんだで大きな目で見れば後半戦に突入。体を壊さないよう気をつけつつ、もうひと踏ん張り。

 

 現在取り掛かっている現場も、ようやく棟の作業に取り掛かった。毎日同じ繰り返しで屋根を葺き進めている期間はある程度気楽だが、棟付近になると、ややこしい、面倒臭い作業や調整が否応なくやってくる。だから何となく気が重い。

 一方で、ひとつの山場に向かって確実に歩を進めている感覚を味わえているのも確か。茅が葺き止まり、棟が三角に積まれ、杉皮が巻かれ、ウマノリ・ユキワリが載せられ…目に見えて完成に近付いている様子が嬉しい。もちろん、うまいこと収まって順調に行けばの話だが。

 

 初夏の美山の週末ともなれば、ツーリングの客も多い。毎日多くの人が通り掛かり、車や自転車をとめて茅葺き作業の様子をカメラに収めていく。こちらは淡々と作業を続けるのみだが、屋根から降りて見上げれば、なるほど写真を撮りたくなる絵だなとも思う。

 いよいよ梅雨の長雨に悩まされる時期に突入する。棟が収まれば、養生シートの雨漏りを心配することもない。すっきりと切り抜けれらることを願う毎日。