vol.124 神社と子どもの声

 今回は番外編、茅葺きの話はナシ。

 何年何十年振りか分からないほど久しぶりに、故郷の実家の近所、子どもの頃に友達としばしば遊び場にした神社に足を運んだ。特に意味も理由もない、ただ懐かしさにひたってのこと。

 周囲の木はだいぶ伐られて、柵や遊具も新調されている。そもそも周辺の景色からして、空き地と雑木林が多かったものが住宅地になっているのだから、神社内はむしろ変化が少ない方かも知れない。

 

 毎日のように…とは言わないが、この神社も遊び場というか、たまり場のひとつだった気がする。ここの砂場で金が混じっているような石を拾って興奮したこと(以来1人でコソコソ通って他にもないか探した)。黄金色に透き通る固まった樹液を木からむしり取って眺めていたこと。鳥居付近の大木にキクラゲが大量発生していて、イケイケの母親に連れられ、採っていいのか食っていいのかとビクビクしながら集めたこと。

 真夏であるからか、神社に人影はない。そもそも今の子どもたちって、神社で遊んだりするんだろうか?農村部に暮らしている今、歩いていくには神社が遠いのと、そもそも子どもが少ないからあまりピンと来ない。

 今思えば、神社の関係者には迷惑だったのかも知れないが、地域の神社が子どもにとって身近な場所なのは、素敵なことのように思える。

 子どもなりに、ここはあまり悪いことをしたらバチが当たる神聖な場所、という畏れの体験も大切だろうし、何より子どもの声が響いている方が、神様も退屈しないだろう。