差し茅を終えた屋根を、ハサミで刈り込んで仕上げること数日。1人でやっているので時間がかかる。その間、ずっと気になってしょうがないことがあった。
刈り込みによって発生した、大量の細かい茅クズである。数センチ程度に刻まれた茅(ススキ)の茎と葉、古屋根から混じった少しのコケや土。それらが混ざって蒸れながら、足場の上に小山となっている。
農業に詳しくはないが、長い目で見たらさぞいい有機肥料になるのではなかろうかと思えてならない。毎回常々そう思ってきたが…。
今回は現場と自宅が遠くない。掃除して大量に集まった茅クズを、田んぼにまいてみることにした。
トラック満載の細かい茅クズを、家族と民泊で来ていた生徒さんたちにもお手伝い頂き、稲刈り後の田んぼにばらまいた。広い田んぼにひろげればわずかなものだが、第2便、3便と続けていければそれなりになってくるかも知れない。
詳しい人の意見を伺えばいろいろダメ出しがあるかも知れないが、我が家の田んぼはもともと無肥料無農薬。低収穫だけど安心だからまぁいいやという田んぼ。茅クズをまいて大失敗という事態はまずないだろう。
安心して田畑にまける、産業廃棄物。これも茅葺きの魅力。
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