vol.159 伏見稲荷大社 奉射祭

 今日は、千本鳥居で有名な伏見稲荷大社の奉射祭。3年程前から参加させて頂いている、伏見稲荷大社はじめ近畿各所の寺社仏閣のしめ縄を製作するグループの、慰労会を兼ねた伏見稲荷大社参拝に参加。

 昨年末にみんなで製作した大小のしめ飾りの晴れ姿を見届けに行く場であり、また出来栄えがどのようであったか確認する緊張の場でもある。

 終わった終わったで済ませるのではなく、設置の仕方ひとつにも注文をつける先輩方の姿勢には頭が下がる。そう、どんなに精魂込めて作った大しめ縄も、飾り方ひとつで台無しになり得る。見届けて、よりよくするための注文をつけることもプロとしての仕事なのだ。

 先輩と一口に表現しても、上は数年待てば100歳に届くかという大ベテランたち。我々が引き継ぐことになるに至るまで、どうにか継承し続けた根性には敬意を払わずにはいられない。

 一方で、継承した若手メンバーのさらに子どもたち、乳児~小中学生たちが同じ場所で戯れている。上から下までの世代が同じ目標に向かって入り乱れるような場は、混沌としているようでありながら、今日においては貴重な空間であろうとも思う。

 

 3年前、来月を生きていく、家族を食わせていくための仕事のあてもなく、胃が痛い日々が続いていた時期があった。そんな時に降ってきた、"継承者がいない故、途絶えることになった伏見稲荷大社の大しめ縄"の話。何とかして継承していきたい、そのメンバー候補として声を掛けて頂いたのが、全ての始まりだった。大した収入にはならないと思ったけれど、何よりその時は、自分に乏しい"人と人とのつながり"を得ることが最優先事項と思えた。

 文字通り、わらをも掴む思い、で関わり始めた大しめ縄作り。

 あの時必死で掴んだ1本のわらしべが、今、日本有数の寺社の本殿を彩る大しめ縄として掲げられている。そんな想いで見上げると、完成の喜びもまたひとしおだった。

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コメント: 2
  • #1

    林和一 (日曜日, 15 1月 2023 15:07)

    ご無沙汰してます!いつも拝見してます。人生楽しいことばかりでは、飽きちゃいます、適度の苦労があるこそより幸せが感じれると思います。そんなような?へへへ�

  • #2

    ぶんな (月曜日, 16 1月 2023 12:39)

    和一さんご無沙汰しております、コメントありがとうございます!お元気でいらっしゃいますか??
    私も子どもらに、ほどほどに貧乏な方が何かと幸せなんやで、と言い聞かせ(ごまかし?)ながら子育てしています(笑)。