vol.135 年末

 あっという間に年が暮れる。"長い1日を持て余すのに、1年はあっという間に過ぎてしまう"……思春期の頃はそんなワードに深く共感していたのに、今や1日が過ぎるのもあっという間だ。

 この冬はひたすら茅刈りと藁細工。雪が降る前にと焦って力任せな茅刈りを続けたおかげで、腕の調子がずっとおかしい。藁細工も一日中していると、姿勢が固まっておかしなところが凝る。どちらも、屋根仕事とはまた違った負荷が体にかかるようだ。

 けれど何かとせわしい12月に、家の近くで仕事が出来る。これは茅葺き職人にとって幸せなことだと思う。

 12月半ばに降った雪で、今年の茅刈りは終了。クリスマス明けにやってきた寒波による大雪の影響で、在宅時間の多くが雪かきにとられるようになってしまった。ますます時間が足りない。でもこれが雪国の12月。大変だけれども、やはり何かホッとするというか、こうでなくちゃなという気がする。子どもたちが雪まみれになって歓声を上げている姿が、未来まで引き継がれるといいと思う。

 終わらせなければいけないことだらけで、頭の中がパニックになりそうな年末。しかしこれも幸せなこと。事業主にとって長期的な"暇"は恐怖だ。忙しいと思える今が幸せ・・・そう思ってやり過ごそう。

 

 来年は怒涛の忙しさになる予定。だから今を頑張って、年末年始は思いっ切りグータラして充電してやろうと野望中。あと少し、もうひと踏ん張り。