vol.127 稲木干し

 現場の合間、1日お休みをもらって自宅の田んぼの作業。お盆の頃の長雨がたたって、田んぼがいつまでもしるい(ぬかるんでいる)。コンバインが入れるようになるまで、機械が入れないゾーンに関してだけ、稲を手刈りして稲木に干しておくことになった。

 今回は臨時処置としての稲木干しなので、手刈りする面積の割合は多くはない。それでもやはり、久々の手刈りはしんどい。グチャグチャの泥に足を取られるし、今年はシカに何度も入られたため、刈ろうとする稲もかなり踏まれて倒れてしまっている。それらをいちいち起こして刈らねばならないから、手間が倍かかる。場所の悪い茅刈りみたいだな…などと思いながらも、ただただ刈るしかない。

 手間はかかるけれど、稲木に干したお米はおいしい。じっくりの天日干しと、稲に残った養分が最後まで籾に行きわたるからだそうだ。

 実際に作業の苦労を体験するとやや心が折れるが、いずれは全てのお米を稲木干しして、おいしいお米ときれいな稲わら、有用な籾殻…と手に入るようになればいいなぁ…と思う。