vol.122 夏が来た

 今年も夏が来た。うんざりするような湿気と降雨の梅雨が終わって、カラッとした天候に気持ちは清々しくなったものの、やはり昨今の暑さは尋常じゃない。屋根の上で仕事をする我々は、あまり日陰に縁がない。自分の身は自分で大切にせねば。

 

 棟の部材が欠損・滑落してしまっているお家。雨漏りはしないものの、近年の強烈な台風を浴びせられたら棟がもたない。さしあたっての応急対応として、仮の部材をあてて棟の部材同士を連結し直すことにした。ひとつひとつは台風に飛ばされる弱さでも、全体を連結させることによる総合力でもたせる『総持ち(そうもち)』の理屈。

 

 現場は我が家の近所。地元で仕事をさせてもらえるのは本当に幸せなこと。そのありがたみをヒシヒシと感じつつ屋根に上ると、改めて夏の里山景色の美しさに胸が打たれる。いい場所に住まわせてもらっている、そしてそこで仕事を頂いている、このめぐり合わせに改めて感謝感謝。

 

 無事に作業が完了して、まだ日が高い。自宅はすぐそこ。よーし、汗だくになって頑張ったご褒美、とばかりに自宅前の川に直行。火照った体を泳いで冷ます。5~10分も入っていれば今度は寒い。上がってシャワーを浴びて、さっぱりした体で扇風機を浴びながら昼寝。

 あぁ最高。いくら地元で仕事でも、こんな日ばかりじゃない。けれど、たまにしかないこんな贅沢な1日が楽しい。