vol.120 茅葺き体験

 今年も地元小学校の総合学習に、茅葺きの講師として呼んで頂いた。出張生活が多い中での対応はなかなか大変だけれど、我が子も通う地元の学校で、茅葺き職人として子どもたちと触れ合う機会があるのは嬉しい。

 講義での質疑応答。子どもの目線は面白い。1軒まるごと葺き替えるとしたら…?大人ならば『どのくらい費用がかかりますか?』という質問がよくあるものだけれど、子どもからは、『何本くらいのススキを使いますか?』 …束数や重量じゃなく、本数か。そりゃ数えたことないな。しょーもないかもと思いつつも黒板を使って、1軒あたり何本くらいのススキが使われているのか、子どもたちと試しに計算したみたのは楽しかった。

 

 後半の茅葺き体験。どんなものであれ、子どもはみんな“モノ作り”は好きらしい。授業中から軍手をつけていた時点で微笑ましかったけれど、わいのわいのと声を掛け合いながら、模型を葺き上げていく様子を見るとこちらも嬉しくなる。

 今年は体験用にちょうどいい短い茅のストックもなく、どうしようかな…と思っていたところ、ちょうど地元の農家さんから麦わらを分けて頂ける機会があった。グッドタイミング。今年の茅葺き体験は麦わらで実施。

 

 地元の学校で、地元産の麦わらで、地元の子どもたちと軽口を叩き合いながらの茅葺き授業。バタバタと大変でも、やっぱり嬉しく楽しい。

 準備から片付けまでお手伝い頂いた先生方や地元の方々、今年もありがとうございました。