vol.118 ようやく修理

 冬に柄が折れて以降、応急処置だけしてだましだまし使っていたハサミ。現場がひと区切りした今がチャンス。ようやく修理に取り掛かる。

 さあ今回はどうしよう。使い慣れた今までの仕様を踏襲するか、改良を加えてみるか。しばし考えた結果、今までより柄を少しだけ長く、取り付けの角度も少し広げてみることにした。

 ハサミ本体と柄をどういう角度で取り付けるかで、使い勝手は変わってくる。ハサミを閉じ切った時、2本の柄が並んで揃うくらいまでにすると、握った自分の両手同士がぶつかって痛い思いをすることがある。かと言って広げ過ぎると、脇が締まらず力を入れにくい。用途に合わせて、職人ごとに自分の使い癖に合った形にする。

 一箇所だけ仮固定した時点で、使い勝手をチェック。こんなものかな…と思って本固定に入る直前、ふと思い立って道具箱へ。

 やはり、あぶなかった。柄の角度を広げたせいで、道具箱にギリギリ入らなくなった。このハサミだけ別行動は面倒臭い、気に入らない。箱に収まる角度にまで再調整。本固定してから発覚していたら発狂するところだった…。

 研ぎ直しも済ませ、ついにリフレッシュ。実際屋根で使ってみないと改良点の成否は分からないけれど、とりあえず気持ちの方もスッキリ。次の10年、使い込んでいけたら嬉しい。