vol.109 身代わり?

 ちょっとしたレベルアップだと喜んだハサミ研ぎの日記をアップした翌日、そのハサミの柄が折れた。マンガのような展開・・・。10年近く働いてくれた柄なので、寿命と言えばそれまでなのだが。メキッと音を立ててへし折れた。

 腕が折れたよりマシと思うか。冗談半分にそう思ったが、あながち冗談でもないのかも知れない。

 思い返せばこの日は朝…正確には夜半から、右手首がジンジンとひどく疼いていた。物を握るのもつらい。昨年の暮れ、2週間かけて大しめ縄作りに携わった時も同じことが起こった。連日のハサミによる屋根の刈り込みで、手首が疲労骨折のなりかけのような症状を起こしているのだろう。もう少しだから頑張ろうと、手首の痛みに目をつぶって刈り込んでいたら、ハサミの柄の方が折れた。

 身代わりになってくれた、か。いろんな意味で、職人は道具が命、というところか。

 

 感謝を込めて新しい柄を付け直したいところだが、あいにく今はそんな暇もないし、第一ハサミがなくては仕事が出来ない。針金で補強して、とりあえず使えるようにしてやり過ごす。すまん、しばし我慢してくれ、と。

 柄も付け直したいし、ハサミの研ぎも抜本的にやり直したい。また宿題が増えてしまった。