vol.106 空き巣狙い

 2021年の幕開け。本年もよろしくお願い致します。

 年明け早々不景気なタイトルですが……。

 

 正月休みのある日、わら細工用の稲わらを取りに倉庫に寄って、ふと気付いた。2階部分に置いているはずの稲わらの束が、いくつか下に転がっている。山にしていたのが崩れて落ちたのかなと思い、置き場まで上がってみて仰天。明らかにグチャグチャに散らかされている。これまでにも、イタチか何かの小動物でも動き回ったような形跡が見られたことはあった。しかし今回は、3ヶ所ほどあった稲わらの山がみな崩壊させられ、ひとつかみずつひっぱり抜いたかのようにわらが散らばっている。

 人が両の手でやったかのような仕業。規模からしても、イタチやネズミには無理だ。もちろん、人がこんなことする意味もない。というと・・・。

 サルか⁉ 確証はないが、今年はサルの発生件数と被害が多いらしい。今年は籾の残っていた稲わらが多かったから、それを漁りに来ていたのだろうか?

 正体は不明だが、腹立たしい。稲わらはおそらく減ってはいない。しかし稲わらを屋根で使うには、小束のままでないと使いにくい。互い違いに散らばった稲わらを集めて元の小束に戻そうとするなどは、気の滅入る作業なのだ。諦めて、畑の肥料行き。

 

 サルにお年玉やったと思えばいいのだろうが、そこまで人格者にはなれない。けれど仕方がない。倉庫から茅を盗まれるという事案もあると聞く。そんな本物の事件に比べれば、田舎でサルにわらを散らかされたなんてかわいいものだろう。

 ともあれ、獣にエサ場や隠れ家として目を付けられると厄介。今年は獣との知恵比べ、化かし合いの一年になるか。