vol.53 接続完了

 無事、2年前に葺いた上半分と、今回葺き替えている下半分とがつながった。2年の差で屋根の色に違いがあるが、これもほどなく同じ色に落ち着いていくはず。

 見習いの頃は、"つなげる"ことがなかなかうまくいかなかった。終盤は茅の流れというか、角度を見定めてうまく差し込んでいかないと、きれいにつながらない。角度の違う茅同士がケンカして、うまく屋根を塞いでくれないのだ。しかるべき位置で上手につなげないと、どこまでも接続が保留されて、最悪の場合棟まで辿り着いてしまう。

 

 仕上げの刈り込みは後回しで、続いては妻面の葺き替え。今度の自分の担当は、2年前に葺いてある角に、新しい屋根をひっつけていく、つまり水平方向の接続。色に違いがあるため、ムラがあれば目立ってしまう。今度は下から上まで、茅の角度のコントロールに気を遣う。