vol.42 ここから反撃開始

 相変わらず天気の安定しない日々だが、今日は久々の晴天。下地補強も完了し、雨の中ジワジワ進めた軒付けも終わり、ここから一気に茅を消費して屋根を葺き上がっていく段階。ようやく前へと進み出せる気分。

 出張現場の厄介なところは、材料の手配に手間暇がかかること。足りなくなったから倉庫から補充する…といったことが気軽に出来ない。階段を昇り降りして運んだ丸太もそうだったが、良いものも悪いものも、今ある材料を適材適所、無駄なく使わなくてはならない。

 現場が終わる頃、使いにくい形の茅ばかりが大量に余ってしまっているなんてことは、見習い職人のレベル。余りが極力出ないよう、按配よく手配して、上手に使い切る。余ってしまう場合は、次の現場で使えるものを残す。そう意識していかなくてはいけない。

 

 建物が小さいだけに、作業の局面が日々変化する。平葺きの茅が足りるか、棟の材料や仕様をどうするか、次に雨が降った日には何をするか…。考え事はたくさんあると思っていたら、早速明日も雨らしい。快進撃が続かないのが歯がゆい。